特別なスタインウェイに刻まれた4人の人物
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ピアノカルペディエムです。
前回は、神戸のホテルにある特別なスタインウェイについてご紹介しました。
今回は、そのピアノのケース(リム)に取り付けられたメダルに登場する、4人の人物について解説します。
少しマニアックな内容になりますが、スタインウェイピアノに興味のある方は、ぜひご一読ください。
前回、このピアノはスタインウェイ社最後の社長、ヘンリー・Z・スタインウェイの91歳の誕生を記念して、世界で91台限定で製造されたものだとお伝えしました。
そのピアノには記念メダルが取り付けられ、4人の人物が刻まれています。
では、この人物たちは一体どのような人たちなのでしょうか?
メダルを見て、「ピアニストかな?」「高名な作曲家ではないか?」と思われた方もいるかもしれません。
正解は、4人とも歴代スタインウェイ社の社長です。
いずれも、スタインウェイピアノの歴史を語るうえで欠かすことのできない重要な人物たちです。
まず、一番左に描かれているのは、スタインウェイピアノの創業者、ヘンリー・スタインウェイです。
彼は50歳を目前にドイツからアメリカへ渡り、息子たちとともにスタインウェイ&サンズを設立しました。
社名にある「サンズ(Sons)」は、まさにヘンリーと息子たちによって、このピアノが世に送り出されたことを物語っています。
次に、その隣に描かれているのが、彼の4番目の息子であり、スタインウェイの隆盛の基礎を築いた2代目社長、ウィリアム・スタインウェイです。
ウィリアムは、経営やマーケティングにおいて、それまでのピアノ業界にはなかった革新的な手法を取り入れ、スタインウェイを世界的なブランドへと成長させました。
そして、一番右に描かれているのが、3代目社長のチャールズ・スタインウェイです。
ウィリアムの後を継いで社長に就任すると、ドイツ国内にスタインウェイの販売拠点を設け、現在のハンブルク・スタインウェイにつながる基礎を築いた人物です。
最後に、ちょうどメダルの中央に描かれている眼鏡の人物。
「カーネルおじさん」のような風貌が印象的なこの人物は、5代目社長のセオドア・E・スタインウェイです。
彼は、二度の世界大戦や世界恐慌という非常に困難な時代に会社の舵取りを担い、スタインウェイピアノと従業員を守りました。
そして、この記念モデルの当事者であるヘンリー・Z・スタインウェイ。
彼はセオドア・E・スタインウェイの息子として、1977年までスタインウェイ社最後の社長を務めました。
戦後を代表するピアニスト、ヴァン・クライバーンやホロヴィッツをはじめ、多くの著名なピアニストたちと交流を持った人物でもあります。
そして、この記念ピアノが発売された翌年、93歳でその生涯を終えました。
このメダルを見ても分かるように、このピアノは単なる記念モデルではありません。
そこには、スタインウェイ社を築き上げてきた歴代の人物たちの歴史が刻まれています。
まさに、スタインウェイの歴史を「肌で感じる」ことのできる、特別な一台と言えるでしょう。
次回は、この素晴らしいピアノを写真とともに、さらに詳しくご紹介したいと思います。




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